2008年04月10日(Thu) 13:39
ミステリーとは
■ フーダニット、ハウダニット、ホワイダニット
事件の解明に必要な要素、犯人、犯行方法、動機のうち、どれの解明を重視するかによる分類。
この3つの分類は、推理小説の興味の対象が、単なる犯人当てからトリックの面白さへと移り変わり、そして社会派へつながる動機重視に変わっていく、という推理小説の発展史と重なる。
フーダニット (Whodunit = Who (had) done it) 誰が犯人なのか
ハウダニット (Howdunit = How (had) done it) どのように犯罪を成し遂げたのか
ホワイダニット (Whydunit = Why (had) done it) なぜ犯行に至ったのか
■ 本格推理小説
推理小説のなかではもっとも一般的でかつもっとも古典的なジャンルである。事件の手がかりをすべてフェアな形で作品中で示し、それと同じ情報をもとに登場人物(広義の探偵)が真相を導き出す形のもの。
エラリー・クイーンの国名シリーズのように「ここまでの部分で、推理に必要な手がかりは全て晒した。さあ犯人(もしくは真相等)を推理してみよ」という「読者への挑戦状」が明示的に含まれる作品もある。
密室殺人を始めとした不可能犯罪を扱った作品の多くはこのジャンルに含まれる。
■ パズル・ミステリ
事件そのものの推理よりも暗号やパズルなどの謎解きに重点が置かれるもの。
論理クイズ(ロジックパズル)をそのまま小説にしたような作品も多い。そのため、舞台設定や状況は謎解きのオマケで重要な要素ではなく、謎を成立させるために非現実的なことがしばしばある(たとえば、1人は必ずうそをつき、もう1人は必ず真実を話す双子など)。
多くの作品は本格派に含められる。アイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』シリーズが代表的である。
■ ハードボイルド
主人公があまり感情を表に表わさず、全体に非情さ・シニカルさを強調した作品。
謎解きよりも謀略・サスペンス、活劇の要素が強い。レイモンド・チャンドラーの作品が有名。
■ 叙述トリック
小説という形式自体の暗黙の前提や偏見を利用したトリック。
下記メタミステリとの関係が深い。日本では折原一がこれを好んで利用している(とここに記述することが大してネタバレにならない程有名である)。
■ メタミステリ
推理小説の形式自体を題材にした、あるいは利用した推理小説。
曖昧に使われているが、広くいえば言語の自己言及性そのものに謎を見出す作品。
小説中にAとBの二つの部分が交互に現れ、Aに現れる登場人物がBを、Bに現れる登場人物がAを執筆しているという合わせ鏡的プロットや、作中作を利用した再帰的構造の一番奥の部分が、全体の枠組みに言及する循環構造プロット、「読者が犯人」「著者が犯人」「出版者が犯人」など商品としての書物自体を含んだプロットなどが挙げられる。メタフィクション参照。
本格作品(前述)の<手がかりをすべて作中に示す>ことが作中でどのように保障されるかを問題にしたプロット(「本格」としての解決の後、それが実は作中作であって、後日談があって、新たな捜査の進展があって、意外な真相がさらに明らかにされる、など)も含まれ、この種の推理小説自体の枠組みに対し疑念を呈する作品を「アンチミステリ」(反推理小説)と呼ぶことがある。
■ 日常の謎
法律に触れるような犯罪ではなく、日常生活のなかでふと目にした不思議な現象などについて、その理由・真相を探るもの。代表的な作家に北村薫、加納朋子等がある。